目次* 1. 「BTC持たぬリスク」ブラックロックが警鐘* 2. ブラックロックが語るビットコインの可能性 + 2.1. ビットコインとテクノロジー株の相関が焦点に + 2.2. ブラックロックCEOも「デジタルゴールド」を支持 + 2.3. 専門家も「機関マネー流入」に注目* 3. ビットコイン「安全資産化」が鮮明に## 「BTC持たぬリスク」ブラックロックが警鐘世界最大の資産運用会社BlackRock(ブラックロック)のデジタル資産責任者であるロバート・ミッチニック氏は2025年5月2日に、**「ビットコイン(BTC)を持たないこと自体が今はリスクとなりうる」との見解**を示しました。この発言はドバイで開催された仮想通貨カンファレンス「Token2049」でなされたもので、ビットコインの価格が米国のハイテク株との連動性が弱まる「デカップリング(相関の弱まり)」が見られる状況を踏まえたものです。ブラックロックによると、ビットコインが株式市場と異なる値動きを見せ始めて以来、機関投資家からの問い合わせや関心が高まっているといいます。ミッチニック氏は「**もはやビットコインのリスクばかりを議論する段階ではなく、急成長する仮想通貨(暗号資産)市場に乗り遅れることこそが最大のリスクだ**」と警鐘を鳴らしました。## ブラックロックが語るビットコインの可能性### ビットコインとテクノロジー株の相関が焦点にミッチニック氏は「**ビットコインとテクノロジー株の相関関係が、今後の市場動向を左右する重要な要素になる**」と強調しています。今後もビットコインがハイテク株と高い相関関係を維持するならば、大手機関投資家にとっての魅力は低下する可能性があります。しかし一方で、市場が急落するような局面でビットコインが低い相関や負の相関を示せば「あらゆる機関投資家のポートフォリオにとって非常に重要な資産になり得る」と述べています。ビットコインが株式市場から独立し、安全資産としての特性を強めれば、**投資家の認識は「ビットコインはリスクが高すぎる」から「ビットコインを持たないことがリスクになる」という方向へ変化するだろう**との見方を示しています。### ブラックロックCEOも「デジタルゴールド」を支持ブラックロックのラリー・フィンクCEOは以前からビットコインをインフレヘッジ資産として位置付けており、同社が提供するビットコインETF「iShares Bitcoin Trust(IBIT)」の成功もその裏付けの一つとなっています。IBITは2024年1月の米国市場上場以来、約570億ドル(約8.3兆円)の資金を集め、運用資産残高では世界2位のフィデリティ社のビットコインETFを約370億ドル(約5.3兆円)上回っています。ブラックロックは現在、約12兆ドル(約1,730兆円)の巨額資産を運用し、オンチェーン国債ファンドなど仮想通貨関連商品の拡充にも積極的に取り組んでいます。### 専門家も「機関マネー流入」に注目ブルームバーグのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏はToken2049でのミッチニック氏との討論を振り返り「ビットコインが株式市場との連動性を失い始めた時、機関投資家たちはビットコインを安全資産として注目し、ブラックロックへの問い合わせを増やした」と明らかにしました。バルチュナス氏はさらに「ビットコインが本当にリスク回避資産として認識されるようになれば、機関投資家からの資金流入がさらに加速する可能性が高い」と述べ、**相関解消がETFだけでなくビットコイン市場全体に長期的に良い影響を与えるとの見方**を示しています。## ビットコイン「安全資産化」が鮮明にビットコイン市場では2025年に入り、こうした「安全資産としての地位確立」を裏付ける動きが鮮明になっています。2025年4月にはビットコイン価格が一時95,000ドル(約1,370万円)近くまで上昇しました。これは米国株式市場が下落局面にあった時期と重なり、**ビットコインが金や国債のような下落局面に強い資産としての側面**を見せました。バルチュナス氏は4月下旬のX投稿で「株価が下がった日にビットコインが大きく上昇し、ここ1週間ほど株との相関が負になっている。観測期間は短いが、ビットコインが安全資産としての地位を確立するには、こうした小さな成果の積み重ねが重要だ」と指摘しています。こうした動きを受け、大手銀行スタンダードチャータードは投資資金の安全資産シフトに注目し「**金からビットコインへの資産配分の見直しが起きている**」との分析を発表しました。同行デジタル資産部門のジェフ・ケンドリック氏は「ビットコインは金融システムリスクに対して、金よりも優れた防衛策になり得る」との見解を示しており、ビットコインが戦略的資産として見直されつつあることを示唆しています。また、仮想通貨業界の著名投資家で米ストラテジー(旧マイクロストラテジー)会長のマイケル・セイラー氏も「本当のリスクはビットコインを持たないことだ」と強調し、ビットコインへの長期的な信頼を表明しています。こうした状況は、ビットコインがこれまでの「リスクの高い投機的な資産」というイメージから脱却し、機関投資家にとって欠かせない戦略的な資産へと変化しつつあることを示しています。※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=143.97円)>>最新の仮想通貨ニュースはこちらSource:DL News報道 執筆・翻訳:BITTIMES 編集部 サムネイル:AIによる生成画像
ビットコイン「もはや保有しないことがリスク」テクノロジー株の相関関係が鍵に|ブラックロック
目次* 1. 「BTC持たぬリスク」ブラックロックが警鐘
「BTC持たぬリスク」ブラックロックが警鐘
世界最大の資産運用会社BlackRock(ブラックロック)のデジタル資産責任者であるロバート・ミッチニック氏は2025年5月2日に、「ビットコイン(BTC)を持たないこと自体が今はリスクとなりうる」との見解を示しました。
この発言はドバイで開催された仮想通貨カンファレンス「Token2049」でなされたもので、ビットコインの価格が米国のハイテク株との連動性が弱まる「デカップリング(相関の弱まり)」が見られる状況を踏まえたものです。
ブラックロックによると、ビットコインが株式市場と異なる値動きを見せ始めて以来、機関投資家からの問い合わせや関心が高まっているといいます。
ミッチニック氏は「もはやビットコインのリスクばかりを議論する段階ではなく、急成長する仮想通貨(暗号資産)市場に乗り遅れることこそが最大のリスクだ」と警鐘を鳴らしました。
ブラックロックが語るビットコインの可能性
ビットコインとテクノロジー株の相関が焦点に
ミッチニック氏は「ビットコインとテクノロジー株の相関関係が、今後の市場動向を左右する重要な要素になる」と強調しています。
今後もビットコインがハイテク株と高い相関関係を維持するならば、大手機関投資家にとっての魅力は低下する可能性があります。
しかし一方で、市場が急落するような局面でビットコインが低い相関や負の相関を示せば「あらゆる機関投資家のポートフォリオにとって非常に重要な資産になり得る」と述べています。
ビットコインが株式市場から独立し、安全資産としての特性を強めれば、投資家の認識は「ビットコインはリスクが高すぎる」から「ビットコインを持たないことがリスクになる」という方向へ変化するだろうとの見方を示しています。
ブラックロックCEOも「デジタルゴールド」を支持
ブラックロックのラリー・フィンクCEOは以前からビットコインをインフレヘッジ資産として位置付けており、同社が提供するビットコインETF「iShares Bitcoin Trust(IBIT)」の成功もその裏付けの一つとなっています。
IBITは2024年1月の米国市場上場以来、約570億ドル(約8.3兆円)の資金を集め、運用資産残高では世界2位のフィデリティ社のビットコインETFを約370億ドル(約5.3兆円)上回っています。
ブラックロックは現在、約12兆ドル(約1,730兆円)の巨額資産を運用し、オンチェーン国債ファンドなど仮想通貨関連商品の拡充にも積極的に取り組んでいます。
専門家も「機関マネー流入」に注目
ブルームバーグのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏はToken2049でのミッチニック氏との討論を振り返り「ビットコインが株式市場との連動性を失い始めた時、機関投資家たちはビットコインを安全資産として注目し、ブラックロックへの問い合わせを増やした」と明らかにしました。
バルチュナス氏はさらに「ビットコインが本当にリスク回避資産として認識されるようになれば、機関投資家からの資金流入がさらに加速する可能性が高い」と述べ、相関解消がETFだけでなくビットコイン市場全体に長期的に良い影響を与えるとの見方を示しています。
ビットコイン「安全資産化」が鮮明に
ビットコイン市場では2025年に入り、こうした「安全資産としての地位確立」を裏付ける動きが鮮明になっています。
2025年4月にはビットコイン価格が一時95,000ドル(約1,370万円)近くまで上昇しました。これは米国株式市場が下落局面にあった時期と重なり、ビットコインが金や国債のような下落局面に強い資産としての側面を見せました。
バルチュナス氏は4月下旬のX投稿で「株価が下がった日にビットコインが大きく上昇し、ここ1週間ほど株との相関が負になっている。観測期間は短いが、ビットコインが安全資産としての地位を確立するには、こうした小さな成果の積み重ねが重要だ」と指摘しています。
こうした動きを受け、大手銀行スタンダードチャータードは投資資金の安全資産シフトに注目し「金からビットコインへの資産配分の見直しが起きている」との分析を発表しました。
同行デジタル資産部門のジェフ・ケンドリック氏は「ビットコインは金融システムリスクに対して、金よりも優れた防衛策になり得る」との見解を示しており、ビットコインが戦略的資産として見直されつつあることを示唆しています。
また、仮想通貨業界の著名投資家で米ストラテジー(旧マイクロストラテジー)会長のマイケル・セイラー氏も「本当のリスクはビットコインを持たないことだ」と強調し、ビットコインへの長期的な信頼を表明しています。
こうした状況は、ビットコインがこれまでの「リスクの高い投機的な資産」というイメージから脱却し、機関投資家にとって欠かせない戦略的な資産へと変化しつつあることを示しています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=143.97円)
Source:DL News報道
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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