目次* 1. 米国初、州レベルのビットコイン準備法が施行へ* 2. ニューハンプシャー州、ビットコイン資産運用を開始へ + 2.1. 資産管理と保管方法 + 2.2. 法案成立後のBTC運用への期待と課題* 3. ビットコイン準備法案を巡る米州の競争 + 3.1. 他州への波及と競争激化 + 3.2. 米各州ビットコイン準備法案の現状## 米国初、州レベルのビットコイン準備法が施行へ2025年5月6日、**米ニューハンプシャー州のケリー・アヨット知事が「ビットコイン準備法案(HB302)」に署名し、同法案が正式に成立**しました。これによりニューハンプシャー州は、州の公的資金をビットコイン(BTC)などの仮想通貨で運用する**「ビットコイン準備」制度を設けた米国初の州**となりました。アヨット知事は署名後、自身のX(Twitter)で「ニューハンプシャー州は再び全米で先陣を切った」と述べ、仮想通貨(暗号資産)や貴金属への投資を可能にする新法の成立を報告しています。> New Hampshire is once again First in the Nation! 🎉 > > Just signed a new law allowing our state to invest in cryptocurrency and precious metals. pic.twitter.com/ua9bawZKbM> > — Governor Kelly Ayotte (@KellyAyotte) May 6, 2025> > > ニューハンプシャー州が再び「全米初」に🎉> > > > > 私たちの州が仮想通貨と貴金属に投資することを許可する新しい法律に署名しました。> > > > 同法案は州議会下院で4月10日に賛成192票・反対179票の僅差で可決され、5月1日には上院でも承認されていました。知事の署名により法律が成立したことで、**施行日は署名日から60日後となる今年7月上旬の見通し**です。## ニューハンプシャー州、ビットコイン資産運用を開始へ今回成立したHB302は、ニューハンプシャー州財務局が州の資金の一部をビットコインや貴金属に投資できるようにする法律です。同法では、**時価総額5,000億ドル(約71.6兆円)以上の仮想通貨(現時点ではビットコインのみが該当)や金・銀などの現物資産への投資**を認めており、事実上「ビットコイン準備金」の保有を可能にする内容となっています。### 資産管理と保管方法州財務長官には、取得したビットコインなどのデジタル資産について、安全な方法での直接管理、認可されたカストディ(資産管理)業者への預託、または米国内で規制された投資信託商品としての保有のいずれかを選択することが義務付けられています。この措置は納税者に対する透明性と資産保全を確保するためであり、同法は「安全性の高い金融ネットワークであるビットコインを活用しながら、州の準備金を多様化し将来に備えるものだ」と評価されています。### 法案成立後のBTC運用への期待と課題ニューハンプシャー州財務局が管理する主要基金の残高は2024年末時点で約36億2,000万ドル(約5,180億円)に達しています。**仮にその5%、約1億8,000万ドル(約258億円)をビットコインに投資した場合、約1,200 BTCを保有**することになります。法案提案者である共和党のキース・アモン州下院議員は「金融イノベーションを受け入れて連邦政府の過剰な紙幣発行によるインフレから州の資産を守る助けになる」と述べ、本法が州財政のインフレ対策や分散投資の一環であるとしています。ビットコイン推進派の団体「Satoshi Action Fund」を率いるデニス・ポーター氏は「ニューハンプシャー州が全国に模範を示した。HB302は納税者の資金を守りつつ準備金を分散させ、州の財政を未来に備えられることを証明した」と述べ、今回の成立を歓迎しています。一方、法案審議の過程では民主党議員を中心に「仮想通貨の価格変動リスクや管理面の課題がある」といった懸念も表明されていました。## ビットコイン準備法案を巡る米州の競争### 他州への波及と競争激化ニューハンプシャー州の今回の決断は、他州にも大きな影響を与えるとみられています。本法のモデル策定に関わったSatoshi Action Fundによると、**今年に入ってからすでに米国内20州以上で同様の「ビットコイン準備金」法案が提出**されており、各州は「準備金法案の立法レース」とも言える競争を繰り広げてきました。ニューハンプシャー州はこの競争を制して米国初の成立州となりましたが、他州での動きは必ずしも順調に進んでいません。### 米各州ビットコイン準備法案の現状アリゾナ州では類似の法案が州議会を通過したものの、5月3日にケイティ・ホッブス知事が拒否権を発動し成立に至りませんでした。オクラホマ州でも上院委員会で審議されたものの、わずか1票差で否決されています。また、フロリダ州は当初有力視されていましたが、法案提出後に撤回される結果となりました。一方、ノースカロライナ州では現在も有力議員主導のもと審議が続けられており、第2の成立州となる可能性を残しています。今回のニューハンプシャー州での新法成立は、この国内外の潮流の中で、地方政府が公式にビットコイン活用に踏み切った画期的な事例といえます。※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=143.17円)>>最新の仮想通貨ニュースはこちらSource:法案「HB302」 執筆・翻訳:BITTIMES 編集部 サムネイル:AIによる生成画像
ニューハンプシャー州、米国初の州ビットコイン準備法が成立|知事署名により7月施行へ
目次* 1. 米国初、州レベルのビットコイン準備法が施行へ
米国初、州レベルのビットコイン準備法が施行へ
2025年5月6日、米ニューハンプシャー州のケリー・アヨット知事が「ビットコイン準備法案(HB302)」に署名し、同法案が正式に成立しました。
これによりニューハンプシャー州は、州の公的資金をビットコイン(BTC)などの仮想通貨で運用する**「ビットコイン準備」制度を設けた米国初の州**となりました。
アヨット知事は署名後、自身のX(Twitter)で「ニューハンプシャー州は再び全米で先陣を切った」と述べ、仮想通貨(暗号資産)や貴金属への投資を可能にする新法の成立を報告しています。
同法案は州議会下院で4月10日に賛成192票・反対179票の僅差で可決され、5月1日には上院でも承認されていました。知事の署名により法律が成立したことで、施行日は署名日から60日後となる今年7月上旬の見通しです。
ニューハンプシャー州、ビットコイン資産運用を開始へ
今回成立したHB302は、ニューハンプシャー州財務局が州の資金の一部をビットコインや貴金属に投資できるようにする法律です。
同法では、時価総額5,000億ドル(約71.6兆円)以上の仮想通貨(現時点ではビットコインのみが該当)や金・銀などの現物資産への投資を認めており、事実上「ビットコイン準備金」の保有を可能にする内容となっています。
資産管理と保管方法
州財務長官には、取得したビットコインなどのデジタル資産について、安全な方法での直接管理、認可されたカストディ(資産管理)業者への預託、または米国内で規制された投資信託商品としての保有のいずれかを選択することが義務付けられています。
この措置は納税者に対する透明性と資産保全を確保するためであり、同法は「安全性の高い金融ネットワークであるビットコインを活用しながら、州の準備金を多様化し将来に備えるものだ」と評価されています。
法案成立後のBTC運用への期待と課題
ニューハンプシャー州財務局が管理する主要基金の残高は2024年末時点で約36億2,000万ドル(約5,180億円)に達しています。仮にその5%、約1億8,000万ドル(約258億円)をビットコインに投資した場合、約1,200 BTCを保有することになります。
法案提案者である共和党のキース・アモン州下院議員は「金融イノベーションを受け入れて連邦政府の過剰な紙幣発行によるインフレから州の資産を守る助けになる」と述べ、本法が州財政のインフレ対策や分散投資の一環であるとしています。
ビットコイン推進派の団体「Satoshi Action Fund」を率いるデニス・ポーター氏は「ニューハンプシャー州が全国に模範を示した。HB302は納税者の資金を守りつつ準備金を分散させ、州の財政を未来に備えられることを証明した」と述べ、今回の成立を歓迎しています。
一方、法案審議の過程では民主党議員を中心に「仮想通貨の価格変動リスクや管理面の課題がある」といった懸念も表明されていました。
ビットコイン準備法案を巡る米州の競争
他州への波及と競争激化
ニューハンプシャー州の今回の決断は、他州にも大きな影響を与えるとみられています。
本法のモデル策定に関わったSatoshi Action Fundによると、今年に入ってからすでに米国内20州以上で同様の「ビットコイン準備金」法案が提出されており、各州は「準備金法案の立法レース」とも言える競争を繰り広げてきました。
ニューハンプシャー州はこの競争を制して米国初の成立州となりましたが、他州での動きは必ずしも順調に進んでいません。
米各州ビットコイン準備法案の現状
アリゾナ州では類似の法案が州議会を通過したものの、5月3日にケイティ・ホッブス知事が拒否権を発動し成立に至りませんでした。
オクラホマ州でも上院委員会で審議されたものの、わずか1票差で否決されています。また、フロリダ州は当初有力視されていましたが、法案提出後に撤回される結果となりました。
一方、ノースカロライナ州では現在も有力議員主導のもと審議が続けられており、第2の成立州となる可能性を残しています。
今回のニューハンプシャー州での新法成立は、この国内外の潮流の中で、地方政府が公式にビットコイン活用に踏み切った画期的な事例といえます。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=143.17円)
Source:法案「HB302」
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:AIによる生成画像