ビットコイン、10万4000ドル超で安定──トレーダーは歴史的に強気な下半期に注目 | CoinDesk JAPAN（コインデスク・ジャパン）

• 19日の暗号資産市場は、タカ派的なマクロ経済見通しと世界的な貿易摩擦への懸念から下落。
• ビットコインとイーサリアムは小幅に下落し、ビットコインは10万4700ドル付近で推移し、イーサリアムは2860ドルをわずかに下回った。
• 米上院がステーブルコインの枠組みを可決したことは、暗号資産にとってより規制フレンドリーな環境を示唆。

19日の暗号資産（仮想通貨）市場は、タカ派的なマクロ経済見通し、迫り来る相互関税の期限、ボラティリティの低下により、下落に転じた。ビットコイン（BTC）はアジア時間に10万4700ドル付近で推移し、過去24時間で1.2%下落した一方、イーサリアム（ETH）は2860ドルをわずかに下回る水準で取引され、1日で1.8%下落した。

この軟調な値動きは、米連邦準備制度理事会（FRB）が18日の米連邦公開市場委員会（FOMC）で金利を据え置いたものの、慎重でインフレに敏感な姿勢を維持したことを受けた、より広範なマクロ経済不安と一致している。

季節性が現れ始める

6月から7月にかけて歴史的に活気のない暗号資産市場は、ビットコインの短期インプライド・ボラティリティが40%を下回って小康状態に入り、最近の地政学的緊張によるリスク・プレミアムが消失している。シンガポールを拠点とするQCPキャピタル（QCP Capital）が19日、マーケットブロードキャストで指摘した。

ビットコインとイーサリアムの永久先物の建玉は横ばいで、オプション市場はマイナスに転じ、プットオプションがコールオプションより高値で取引されている。これは、トレーダーが短期的な下落に対してヘッジしている兆候だ。

「テクニカルな状況に変化はなく、上昇圧力が維持されている」とLMAXグループ（LMAX Group）のストラテジスト、ジョエル・クルーガー（Joel Kruger）氏はCoinDeskへのメールで述べた。「ビットコインは強気な値動きを維持しており、最近の高値圏を突破すれば、14万5000ドルを目指す動きになる可能性がある」

イーサリアムは2021年の高値には依然として及ばないものの、勢いを増しているとクルーガー氏は付け加えた。「2900ドルを突破すれば、3400ドルが視野に入る可能性がある」と同氏は述べた。

米上院がステーブルコイン法案を可決

暗号資産にとって明るい材料の1つは、米上院によるステーブルコインの枠組みの可決であり、より規制フレンドリーになりつつあるグローバル環境に新たな構成要素が加わった。これは、より広範な機関投資家の確信を強固なものにした。

「世界的に、機関投資家による暗号資産の採用において、より明確でより友好的な規制環境を約束する継続的な進歩が見られる」とクルーガー氏は付け加えた。

それでも、短期的な状況は依然として慎重だ。月末のオプション満期によるフロー、システマティックなリバランス、新たなカタリストの欠如により、ビットコインは当面10万2000ドルから10万8000ドルのレンジに留まる可能性がある。

だが、下半期は暗号資産にとって歴史的に好調であるため、一部のデスクはすでに先を見据えている。クルーガー氏は「最悪の状況は過ぎ去ったかもしれない」と述べ、「そして、次の上昇局面は多くの人の不意を突く可能性がある」と付け加えた。

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